今月の読書 11月編
「セビーリャの理髪師」 ボーマルシェ
タイトルは有名。
作者は意外と知られていない。
シェークスピアかと思っていた。
森薫の漫画「エマ」の中で
ざっとストーリーが語られている。
「誰も死なないオペラ」。
かすかな記憶では、漫画ベルばらで
「貴族を笑い者にする芝居」と
オスカルに言われていたような。
「フィガロ三部作」の第一作だそうな。
「フィガロの結婚」「罪ある母」と続く。
ストーリーは「エマ」のおかげで大まかには
わかっていたが、台詞や当時の習慣など
本ならではの面白さがあった。
床屋兼外科医という存在がいたので
散髪屋さんの看板、赤と青は動脈と静脈を表すとか、
当時、古代医学の信奉者の病気治療法は、
体内の毒素を排出するため瀉血、浣腸、下剤の
3種類だったとか。
「ドラマ」が現れはじめたのは、この頃だとか。
本篇もそれなりに面白く読めたのだが
訳者解説で作者のボーマルシェの生涯が
書かれており、本編以上に興味深かった。
ボーマルシェは1732年、
時計工の親方の息子として生まれる。
時計職人に始まり、音楽家、司法官、王の密使
実業家、武器商人、劇作家等々、多くの職業をこなし、
訴訟に入牢、女性遍歴、そしてアメリカ独立戦争と
フランス革命に大きく関わることになる。
なんかもう、一人の人生とは思えないほどの
活動範囲と密度である。
読んだ文庫の役は鈴木康司さん。
やけに詳しいと思ったら、同じ人の書いた本で
「闘うフィガロ-ボーマルシェ一代記」
というのがあるらしい。
フィガロ三部作とともに、機会があればこちらも
読んでみたい。




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